天王コンタクトレンズセンター
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トピックス

近視の話


日本人にとって近視というのは非常にポピュラーで、小学生から中学生にかけて進み、眼鏡やコンタクトを使用するのも、なんとなくしょうがないね、親も眼鏡かけてるし、と諦めているのが現状です。

近いところばかり見ているから、暗いところで見ているから、遠いところを見るといい、と今まで経験上、よくないこと、よいことが語られてきました。

しかし、近年、スマフォやタブレットが急速に普及して学校の授業でも使われるようになり、世界中で近視になる子供が増えてきました。特に台湾やシンガポール、香港、韓国など東アジアの国での増加が顕著です。

そのため世界中で、近視の原因、近視予防、進行抑制の研究が行われ、色々なことが分かってきました。

 

近視とは眼軸長が長くなること

 

眼球はおおよそ球状ですが、その前後の長さが長くなることで、近視の状態になります。

成人の平均は約24.0mmですが、小学校高学年でほぼ大人と同じになります。これが、眼球の奥の方にいびつに長くなることによって近視が進行するということが分かっています。

じゃあ、なぜ、眼軸長が長くなるのか、長くなる原因は何かということについては、完全に解明されたわけではありませんが、色々なことが研究データからわかってきました。

そして近視の進行を抑制、進みを遅くする、治療が行われるようになってきました。

ただ、まだ、近視の治療、近視を治す、もとに戻すことはできません。あくまで進行のスピードを遅くすることしかできません。

 

近視だと何が問題?

 

 じゃあ、どのみち近視は治らないし、どうせメガネやコンタクトが必要になるんだから、進行を遅らす意味はあるの? という疑問が出てくると思います。

当然、メガネの必要のないごく軽い近視のままでいてくれれば一番いいのですが。

  近視が一番進行する時期は、小学校高学年から中学生くらいの時期、ちょうど身長が一番伸びる時期です。しかし、中には、小学校低学年から毎年どんどん近視が強くなる子も一部にいます。そういう素質をもともと持っているということも原因ですが、スマフォなどの使用が増えたことで加速されてる可能性があります。

 身長の伸びが止まる時期、女子では高校生以降、男子ではもう少し後になりますが、そのくらいになると近視の進行も止まったりゆっくりになったりします。

近視の強さは必要なメガネの度の強さであらわされますが、成長期には1年で、1D(ディオプトリー)くらい進行することが多いです。小学校低学年から進行すると、約10年の間に10Dの強さの近視になるという計算になります。

近視は、3D未満が軽度、3Dから6Dまでが中等度、6D以上が強度という風に分けていますが、強度以上になると、大人になってからのいろいろな病気のリスクが高くなることが分かってきました。網膜剥離、緑内障、黄斑変性症、網脈絡膜委縮などです。いずれも治療が遅れると失明したり、また現在の医療では完治させることが難しく、視力が大きく低下したりする可能性の高い疾患です。

そこで、最近では近視の進行を遅らせる治療が行われるようになりましたが、低年齢からのコンタクトレンズ使用となるためまだあまり一般的にはなっていません。しかし今後広まっていくと思われその結果がまたさらに進んだ治療の進歩につながっていくことになると思われます。

 

近視の進行予防

家でできること

1.    30㎝より近くで物を見ない

2.    30分近くを見たら5分遠方を見て休ませる

3.    12時間屋外で活動する

     太陽光に含まれる光が近視の進行を遅らせる効果

 

 

 近視の進行を遅らせる治療

 

点眼薬          日本ではまだ未承認

特殊眼鏡         日本ではまだ販売されていません

ソフトコンタクトレンズ  非球面単焦点ソフトコンタクトレンズ   

多焦点ソフトコンタクトレンズ

オルソケラトロジー    夜間睡眠時に特殊なハードコンタクトレンズを着用、

             昼間裸眼でよい視力で過ごせる

             近視進行を遅らす効果は一番優れているが、ある程度までの近視しか使えない

              保険が使えなく、すべて自費診療になる